おこげ神話

お釜で御飯を炊くと、あの底のほうにできるおこげがおいしいんだよなあ、とは年長者から時々聞く話。あの香ばしさがなんともいえないのだなあ、と懐かしげに言う人は少なくない。

ぼくが子どもの頃には、電気炊飯器はもうすでに普通のものだったから、おこげをあまり食べたことがなかった。焼きおにぎりにすれば周囲は言わばおこげなわけだけど、醤油がまぶしてあるんで純粋なおこげとはちょっと違う。

ときに。うちでは何年か前から、御飯をお釜で炊いている。

最初、ものは試しと思って、フタ付きの普通のホーローの鍋で炊いてみたら、これが電気炊飯器で炊くより1.3倍増し(ぼく基準)でおいしくなった。おいしい御飯を求めてブランド米なぞにウツツを抜かしているぐらいだったら、鍋で炊く技術を身につけたほうのがよっぽど賢い話なのではないか、ぼくはそう思った。米の良し悪しは炊きたてのときよりも、冷や御飯になってからがぜん違いが出るから、もちろんいい米はいいんだけどね。

鍋で炊くといっても、そう難しいことではない。お米三合に水四合、もしくはお米の1.3倍の割合で水加減する。水の多少は、出来上がりに固めか柔らかめかの違いが出るだけで、大きな間違いというほどのことはないから、そう神経質になることもない。それをフタ付きの鍋に入れ、沸騰するまで中強火ないしは強火にかける。湯がふきこぼれ出したら弱火ないしは中弱火にして、五、六、七、八分ぐらい。フタをちらりとずらして、湯がなくなって御飯の表面が出るほどになっているのを確認したら、火を止めて、あとは「赤子泣いてもフタとるな」、十分ほど蒸らして出来上がり。火にかけているのは十分程度、炊き上がりまで二十分程度で、電気炊飯器より早くできるのもよろしい。

火加減が難しい薪で炊いていた時代でも昔の人はうまく炊いていたんだし、かなり適当なキャンプの飯盒でも炊けるぐらいだから、火加減、水加減にことさら神経質になることはない。今では火加減が自由自在のガスコンロがあるのである。ガス器具という文明の利器をおいしい御飯のためにみすみす使わないのはもったいない。煮物を作れる腕があれば、必ず鍋で御飯は炊ける。

「土鍋で炊く御飯はうまい」と噂で聞くんで、

(1/3) 次»

よしなしごと
2009/06/25




カテゴリー一覧
最近のコメント

このブログを友達に教える

コミュニティ | 有名人・芸能人ブログ | ケータイ占い | ケータイ小説 | 掲示板


画面TOP↑


powered by cocolog