H形鋼、値下げ消耗戦代表的な建築用鋼材であるH形鋼をめぐり、鉄スクラップを主原料に建材などを製造する電炉メーカーと新日本製鉄などの高炉メーカーが、受注獲得を目指した値下げ競争を繰り広げている。高炉大手が6月契約の一般流通(店売り)向け価格を4カ月ぶりに引き下げたのに対し、電炉最大手の東京製鉄は7月契約価格を3カ月ぶりに下げて反撃に出る。だが、建築需要そのものの回復が見通せない中で、価格競争に歯止めがかからなければ、消耗戦に突入する懸念もある。
≪ピークの半値≫
東京製鉄は7月契約価格を1トン当たり3000円引き下げ、6万5000円にする。過去最高値だった昨年8月の半値で、約4年ぶりの安値水準となる。
「一部高炉の値下げに対抗するしかない」。東京製鉄幹部は、主原料の鉄スクラップ価格が上昇しているにもかかわらず値下げに踏み切る理由を、こう説明する。同社に先駆け、高炉大手は6月契約価格を1万3000円下げて、6万7000円程度まで低く抑えたとみられる。
もっとも、昨秋以降の景気後退局面で、値下げを主導したのは電炉側だ。
東京製鉄は鉄スクラップ価格の下落を受け、昨年9月から今年4月まで、断続的に計6万円程度引き下げた。他の電炉もおおむね同調してきたもようだ。
高炉側は当初、受注を見送ってまでも値下げを回避する姿勢をみせたが、電炉との価格差が一時、約4万5000円も開き、2月に約4万円の値下げを余儀なくされた。
これに対し、6月は、高炉側が先手を打った格好だ。電炉は鉄スクラップ価格の上昇で値下げに動きにくく、この時点で1万5000円あった価格差を一気に詰めて受注で盛り返す好機と判断した。資源大手との2009年度の価格交渉で、原料炭が約6割、鉄鉱石が約3割の値下げで妥結したことも高炉側を強気にさせた。
昨秋以降の景気後退に伴う工場やビルの着工減で、H形鋼の需要は冷え込んでいる。日本鉄鋼連盟によると、H形鋼の出荷量は、今年4月に20万5000トンと昨年9月から半減した。H型鋼は、高炉と電炉が販売でしのぎを削る分野だけに、需要が減退する中で限られたパイの奪い合いは激しく、値下げ競争は当分、収まる気配はみえない。
≪戻らぬ建築需要≫
H型鋼の値下げは、皮肉なことに、建築需要自体が望めないゼネコンなど建設業界にとって、それほどメリットがないのが実態だ。「どちらかが矛を納めなければ、ともに収益が悪化し、痛み分けは避けられない」。高炉と電炉の双方に、警戒感が広がっている。
流通業者間で取引されるH形鋼の市中価格も、需要減による下げ圧力に高炉、電炉の相次ぐ値下げが重なり、急落している。今月に入って、東京では昨秋比4割超も下落し、1トン当たり7万円と5年4カ月ぶりの安値に沈んだ。大阪では5年
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