鈴木修氏(2)コストダウン

現在では、人気ナンバー1の『ワゴンR』というクルマが有名ですが、実は30年前にススキの歴史を塗り替えたクルマがありました。1979年発売の『アルト』です。この30年に5回のフルモデルチェンジを経て、販売累計台数が477万台余り・・・とのことです。当時、軽自動車が60万円以上で売られている中、「全国統一47万円」で登場したのです。

鈴木社長はスズキの社運を賭けてこの開発に取り組みました。コスト削減では、否応なしにエンジニアたちとぶつかりました。「灰皿を取れ、スペアタイヤを取れ」と言っても「そんなことをしたぐらいではなりません」と。「それならエンジンも取ったらどうだ」と言ったら「なんとかやってみます」と、初めて鈴木社長の熱意が通じたそうです。

スズキには1999年から「小少軽短美」というスローガンがあります。「小さく」「少なく」「軽く」「短く」「美しく」・・・これはコストダウンの要諦を表したものだそうです。クルマは1台あたり2~3万点の部品からできています。それで1グラムや1円にこだわり、少しでも小さく、少しでも軽く・・・なのです。さらに軽量化は燃費向上にもつながっています。

また「死に金は1銭たりとも使わない」というのが鈴木氏のポリシーです。「例えば、工場をなんでもかんでもコンベヤー化、あるいは自動化しようとする傾向がある。しかしその多くは大いなるムダである。重力はタダなので、わざわざコンベヤーを設置しなくても、ちょっとラインを傾けて、自然と重力で動くようにすればいい。そうすれば電気代もかからない」と。このような形で「工場の監査」を20年間、毎年続けているそうです。

1981年、スズキはアメリカのゼネラルモーターズ(GM)と提携しました。あるプロジェクト会議において、意見や質問ばかりで、なかなか合意に至りません。業を煮やした鈴木氏は、会議の席上「ミーティングやリサーチばかりでは困る。スズキならファイブミニッツで決まる。ボトムアップ・イズ・コストアップ、トップダウン・イズ・コストダウン」・・・英語と日本語の混じった発言で大爆笑となったそうです。ここにもコストに賭ける情熱がうかがえます。

読書・CD感想文
2009/06/26




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