南極は地球の憲法第9条休みの日、夕方から僕の好きなそば屋に行って升酒を飲みながら「世界中を「南極」にしよう」を読む。筆者は元朝日新聞の科学記者・柴田鐵治さん。柴田さんは僕が所属している日本ジャーナリスト会議〔JCJ)の代表委員であり、なおかつ毎年8月に表彰しているJCJ賞の選考委員をお願いしている人である。
僕は小学生の頃「南氷洋にクジラを追って」〔?〕という本を読んで南極にあこがれた。その本を書いたのが、確か新聞記者だったと記憶している。それがきっかけで僕は「新聞記者になりたい」と思い続けていた。まあ、結果としてはテレビの世界に入ったが。
それはそれとして、柴田さんは40年ぶりに、今度はフリージャーナリストとして第47次南極観測隊のにオブザーバーとして参加した。御歳70歳。そして南極で71歳の誕生日を迎える。
この本はその時の私的ドキュメントであり、なおかつ、これからの南極観測についての提言からなっている。この「提言」がこの本のハイライトだ。
柴田さんは相当ペンギンに思い入れあるようだ。僕も一時はペンギンを飼ってみたいと真剣に考えた事があるほどペンギンにほれた事があるし、今でもかなり好きな動物だ。柴田さんのペンギンに対する眼はお子様、いやお孫さんを見る目のようだ。優しく、しかも「ヒキ」で見ているようだが、実は「ヨリ」で見ている。
柴田さんは南極の環境問題を取り上げながら、実は日本の、そして世界の環境について心を砕く。南極の生活ででたゴミ、それも燃えるゴミだけではなく廃車になった雪上車までもある。その「ゴミ」の処理はまさに全地球的なゴミ処理の象徴でもある。
柴田さんは30歳の時、第7次観測隊に同行取材をしている。その時に感じた事と、70歳になって訪れたこの南極。この対比を「30歳の私」と「70歳の私」の対話でギャップを埋め、その40年の差の「時の流れ」を僕たちに分からせてくれている。
さて、柴田さんの「提言」だが、これほど具体的にだされているとは読むまで想わなかった。特に南極が「国境のない世界」だから「世界を南極にしよう」といい、「南極条約」の画期的な点とその弱点、しかし米ソ〔当時)が「南極だから」からこの「南極条約」が、かなりの高度の政治的判断で結ばれ、それがまた「冷戦」によって余計に強化された話など柴田さんでしかかけない事だと想う。
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