譜面が落ちた1月27日は僕が習っているクラリネットの藤井先生の教室の発表会だった。33人の生徒が34曲を演奏する。1曲多いのはアンサンブルがあるからだ。
僕の出番は後半だ。途中2回ほどの休憩を挟んで、いよいよ僕の番。
曲はドイツの作曲家カルル・シュターミッツ(1745〜1801)の「クラリネット協奏曲第3番 第3楽章」ロンド形式だからテーマとなる旋律と、そうでない旋律が交互にでてくる。だから、テーマとなる旋律はそうでない旋律より自然と練習量は多くなる。
ピアノの伴奏と僕のクラリネットが同時に始まるので、スタートの合図をする。
まずはテーマ旋律だ。順調なスタート。思っていたテンポで演奏は進む。
「おや、今日はあがってないぞ」「順調だ」
ピアノの間奏があって、再び演奏。今度はテーマではない。きれいな旋律だ。気持ちがいい。
カディンツェがあって再びピアノの間奏。次はテーマの旋律・・・。
いよいよ和音の展開とアルページオだ。しかも16部音符の連続。譜面をめくる。
そのとき、譜面はぱらぱらと譜面台から滑り落ちた。初めての出来事だ。一瞬、頭が真っ白になりそうになる。「間違ってもいいから覚えているところだけ演奏しようか」「急いで譜面を拾って続きをやるか」そんなことが頭の中をよぎる。
Fさんが譜面を拾ってくれる。再び譜面台にセットして演奏を始める。ピアノの先生はどこから始めるのか困っている。申し訳ない。伴奏は続いている。どこを演奏しているのかはわかる。そのところを吹こうとするが、指が回らない。緊張している。「えい、ままよ」と僕は入りやすいところで待ってて伴奏に乗る。
もう、コーダに近い。その前に眺めのカディンツェがある。これは巧くやりたい。いよいよ最後のカディンツェに入る。最初はゆっくり3つの4部音符をスタカットで。一息入れて再び8部音符で和音を演奏。そして次第に主音は下がってくるそれにつれて和音は早くなる。
Gの音でブレス、そしてピアノに再スタートの合図。元の早さに戻ってテーマを演奏。終わってピアノのコーダ。巧く行った。ここだけは巧く演奏したかった。生まれて初めて自分で作ったディンツェだから。
終わると急に冷や汗がでた。そして教訓。
今後は暗譜だな。
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