『ACCELERATE』R.E.M.34分33秒で疾走するこのアルバム。だが、驚いたのはその速さや短さではなく、マイケル・スタイプ、ピーター・バック、マイク・ミルズの三者がこれまでになく、各々のパートに忠実に接している点だった。彼らはドラムのビル・ベリーの脱退以降、変化してしまった関係を回復することをこのアルバムにかけたと言う。「やらなければならなかったし、出来なければ止めるしかない」という趣旨のマイケル・スタイプのコメントを何かで聞くか読んだ記憶がある。それだけ彼らにとって重要な意味を持つアルバムであり、完成した音を聴く限り、目的は達成されたのではないだろうか。それは、シンプルなバンドサウンドに象徴されている。つまり、各々の本来の役割を見つめ直し、各々のパートに忠実に接していることがそれを示している。これまでマイケル・スタイプの声はとても孤独に聴こえていたが、このアルバムを聴いた今では、その理由が少し分かったような気がする。このアルバムのマイケル・スタイプの声は、とても孤独には聴こえない。
もう一点、このアルバムで彼らが試したことがあり、それはライブの勢いを作品に反映することであった。(先立ってライブアルバム『LIVE』をリリースしたのは、このための布石かと思われるが、『LIVE』に収録されている“Walk Unafraid”はとても力強く、まるで恐れずに歩き出した自らを表現しているように思える。)このアルバムは、見事に彼らのライブのドライブ感を反映している。先に述べたマイケル・スタイプのコメントのように、このアルバムは彼らの存在を賭けた作品であり、彼らがまとまるには、この勢いも必要だったのかもしれない。
ライブのドライブ感を反映したこのアルバムの音がさらにライブに還元されるのがとても楽しみだし、結成28年にして確かで大きな一歩を踏み出した彼らが次に作る音が今から楽しみだ。
来日してくれるかなぁ…。
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