其之参拾八

「はじめ!!」

主審の一声で仕合は始まった。

「イエエエエエ!!」

「オーーーー!!!」

両者の声が会場に響いた。

案の定、石川の連打が俊介を強襲。

パン!!パン!!!パン!!!パン!!!!

パァーーーーーーーーーーーーーン!!

「小手あり、一本!!!」

なんと、数秒で俊介が小手をとられてしまった。

「あ・・・・」

僕は、ふいに言葉を発した。

まさか、これほどカンタンに俊介が一本を奪われると

思っていなかった。

ザワザワザワ・・・・

会場内は、俊介のこんな姿を想像していなかったのだろう。

女生徒の悲鳴も所々で聞こえた。

しかし、まだ試合が終わったわけではなく

すぐさま、二本目が始まった。

しかし、その瞬間だった。

パシーーーーーーーーーーーーーーン!!!!

それは、残酷なほど綺麗に決まった。

会場は静まり返った・・・が、その後、大きなうねりを

あげた。

「胴あり、一本!!!」

俊介の竹刀が石川の胴を打ちぬいた。

「す、すげー・・・・やっぱ、俊介だ・・・・・。

こりゃ、まだまだわからんぞ」

スマイリーたち剣道部員が、間近で観ているのが見える。

僕は、ついサングラスを外して、その後の試合のなりゆき

を見守った。

「ウッシャアア!!!!!!!!」

石川は、たたみかけるように連打をつづけたが、

俊介は、それをうまくかわしている。

その攻防はしばらく続き、会場はツバを飲み込む音が

聞こえるほどに静まり返った。

それは、まるで二人だけの空間を創り出しているようでも

あった。

そして、俊介がついに動いた。

その竹刀の描いた軌道は鮮やかに、観る人々の心を

一瞬にして奪い去った。

面を打つとみせかけた、かつぎ胴。

パアーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!

「胴あり、一本!!!勝負あり!」

ワアアアアアアアアアアア!!!!

割れんばかりの歓声に武道館内が包まれた。

やった!ついに、俊介が念願の県大会優勝を手にした。

僕はすかさず

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2008/08/12




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