0038指が緑でない人間なのだが、それでも庭があればなあと思うときがある。ひとつは犬を飼いたいなあと夢想するとき。そして、もうひとつは掛け花にちょんちょんと茶花、もとい山野草、もとい雑草を活けたいなあと考えるときだ。とにかく掛け花に投げ入れると、たいていの植物はかっちょよく見える。そして、掛け花が飾られていると、ずいぶんと部屋の見映えがよくなる。いまはもっぱら人様の前庭からはみだしたり、公園の片隅に繁っている雑草をいただいてきているのだが、自分ちの庭なら遠慮なく切ってこられる。欲しいなー。庭。
そんなわけで、けっこうこのアイテムは数を持っている。とりわけ『籠新』さんの曲げ竹掛け花はお気に入り。シンプルだが個性があり、それでいてヴァースタイル。どんな草花とでも相性がいい。五代目主人、森田さんはなににもまして京が誇るべき職人技の使い手のひとり。 まるでマジシャンのように竹細工を紡ぎだす。あらかじめプランを立てたりせず、素材の意を汲んで指の赴くままに作ってゆくのだと彼はいう。 その過程で、なにか魔法めいた成分が含まれるのかもしれない。
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