頚椎の手術『15日に入院して16日に手術しましょうか?』U先生の返答を聞いて、喜びと期待が沸いた。 先生から手術治療の詳しい説明があった。手術に対する恐れが無いと言ったら嘘になる。 入院早々像影剤注入による脊髄のレントゲン撮影が行われた。
背骨周辺に麻酔注射が打たれた。 歯医者さんの麻酔注射より強い痛みが走った。 人一倍注射嫌いで弱虫なマーチャンが3~4度うめき声を発しているあいだに『注入管が入りましたよ。 髄液を抜いて造影剤を入れます。』わずかな量と短時間の処置だったのだろうが、とても長く感じられた。
翌日午後3時前、ベテランの看護婦さんが二人部屋に迎えに来られた。 K看護師さんが『私が手術に立ち会います。心配ありませんからね。』と丁寧に語りかけてくれた。 下半身にきつめのタイツを履かせられた。 サイズの合う首輪も用意された。
手術用の衣服に着替えて、ベッドごと手術室に運び込まれた。 手術室の内部やお世話になるU先生をも見届けるゆとりはなかった。 『私は、麻酔師のOOです。』他に何か語りかけておられた。
次の瞬間、マーチャンの記憶は完全に途絶えた。 夢も幻覚もない無の世界だった。
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