288 知らなくても済んだこと

 久しぶりに、ここで頭をまとめずにはいられない衝動に駆られ、子供を寝かしつけた後、パソコンに向かっている。今私にあるのは怒りと悲しみ・・・

 まずはこの記事を読んでください。「ケニア人留学生失跡」に関して、中日新聞より。

 http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2009070202000255.html

 やはりこういう事態が起こってしまったか、という気持ち。

 今年の正月、実家で恒例の箱根駅伝を観ながら、留学生について家族で話した。私が「形を変えた人身売買ではないか」と言ったら、夫が賛同した。夫とは極論めいた話(私の中でのタカ派的側面)になると賛同することが多い。対して、いかにもハト派の母や妹は「留学生本人や家族がそれを望み、暮らしも良くなるのならいいのではないか」と言った。母や妹の意見はもっともだが、私がモヤモヤしてしまったのは、走ることが速いこと=すぐれたこと、という価値観(日本の商業主義に付随するもの)を、ケニアの人たちの生活に持ち込むこと自体が気に入らないと思ったから。

 知らなくても済んだことをムリヤリに知らされてしまうことは、たとえその人たちの暮らしが豊かになったとしても、何か決定的なものを失わせてしまう結果になるのではないか。

 一面的な価値観を高圧的に押し付けるような日本の傲慢さ、さらには、それが傲慢だとすら気づかない人たちに対し、やるせない憤りを覚える。

 問題となっている留学生については、テレビで姿を観たことがある。

 昨年全国優勝した豊川高校は、私が住んでいる市の隣の市にあり、中学時代から存在を知っていたような地元の名選手も活躍している(その活躍は素晴らしいことだ)。

 優勝時の、京都の陸上競技場でのインタビューで、この留学生はマイクを向けられても日本語がうまく話せなかった。その姿を痛々しく思っていた。

 野生動物のように彼女が走って逃げたとしても、日本は彼女にとって外国である。

 今、どこで何をしているのか、とても心配。

 目の前で去っていく彼女を、なぜ止めることができなかったの

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地域・社会
2009/07/02




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