表・彰・状

小さな頃から、『書く』ことが大好きだった。
仕事では、「講義」をすることが多いので、「話す」ことが好きに思われがちだが、
実はチマチマと文章を書いていることが一番疲れない。
出来ることなら、ずっと机に向かっていたいのが本音である。

小学生の頃は、ノートに詩や自作の物語を書き溜めていた。
イラストを描くことも好きなので絵本も良く作った。
当時、うちで飼っていた猫を主人公にした小説をシリーズ化し、
本気で出版社に持ち込もうとしていた世間知らずな中学生だった。
また、実際にある物語の結末が気に入らないと、結末を書き換えたり
続編を作って自分だけで納得していたりもした。
(この癖は未だ直らず、映画やドラマの結末を頭の中で勝手に書き変えている。)

高校生3年生の時、クラス全員で各教科の先生方にサプライズをしようと考えた。
表向きは、卒業する私たちから先生方に感謝を込めて。
本当は、サプライズにことかけて最後の授業をなしにしたい。
という、いかにも高校生の私たちが考えそうなことだった。
「じゃあ、いったい何をしたらいいの?」
皆でああだこうだ言い合って、無い知恵を搾り出して考えた結果、

全員の先生に表彰状(感謝状)を書く → 読み終わったところで何人かでクラッカー
→ 花束贈呈 → 先生感激 → 授業にならない → 今日は授業なし!(しめしめ)

「じゃあ誰が表彰状を書く?そりゃあ、」みんなの視線が私に向けられたので、
「はいはい、書けばいいんでしょ。」とばかりに引き受けた。
各教科全員分なので結構な量だ。
感謝の中にも皮肉を、真面目な中にも笑いを入れることを心がけた。
それぞれの先生の顔を思い浮かべながら書いていると、気持ちが乗ってくるもんだ。
3年間での先生とのエピソードを織り込んで、自分で言うのもなんだが、
良い出来具合だったと思う。
一人ずつ表彰状に清書して、準備は整った。

さて、本番だが、全員の先生が喜んでくださった。(と思う。)
が、私たちの思惑通りには進まないもので、そのまま授業に移る先生が殆どだった。
中には、自分の学生時代のエピソードを語ってくれたり、感想を述べてくれたりと
表彰状がきっかけとなって、楽しいお話を伺うことが出来た。

その中で、忘れられない先生がいる。穏やかで優しい、古文の男の先生だ。
先生は、私たちの卒業と一緒に定年退職されることになっていた。

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日記・コラム・つぶやき
2008/01/23




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