AAJA NACHLE(その3)

torrentで高画質なAAJA NACHLEが手に入ったので全編をちゃんと見た。英語字幕も付いている。日本では絶対に公開されない作品なのに公開直後に家で見ることができる。デジタル革命とはこういうことだ。本当は劇場で、あるいは正規DVDを購入して見たいのだがそれができないので仕方がない。今度インドに行ったらちゃんとDVDを買うということで許してほしい。

ところで、映画である。ネットで見かける評価は脚本が悪いというのが多かったが、インド映画はそういうものである。確かに、素人から見てももっとこうすれば盛り上がるのに、という面は多々あったがインド映画は理屈で見るものではない。記憶に残るものを目指すのでストーリーの破綻や脚本の弱さはそれほど問題ではない。「これでインディア」というサイトでは「最近のボリウッド映画は情熱が感じられない。この映画もそうだ」と手厳しいが、確かにそういう面はあった。例えば、傑作の誉れ高いLagaanも、Aaja Nachleと似たストーリー展開であったが遥かに熱いものを感じた。アーミル・カーンが熱い男というのが画面を通じて伝わってきたものだ。具体的には、不可触民差別への問題提起、そして自然な暗示による神の存在ということをテーマにしていたことが作品に深みを与えていた。Aaja Nachleはどうかというと、そもそもマードゥリが立ち上がる動機からしてよくわからない。多くの人が心血を注いで頑張る理由も弱い。音楽やマードゥリで場面は一応盛り上がるが、終わってみれば何も残らない。要するにテーマがないのだ。「これでインディア」が「何かが足りない」と指摘しているのはこういうことだと思う。

しかし、この映画の本当のテーマを考えればそれもいた仕方ない。この映画のテーマはマードゥリ復活祭なのだ。だからメッセージは邪魔なのだ。そういう背景を考えなければなぜこんな映画になったのか理解できないだろう。マードゥリのファンとしては決して悪い映画ではない。2時間20分の映画だが退屈することもない。さすがにマードゥリも歳を取ったと思わざるを得ないが、歳相応の魅力もあるのでマードゥリを見ているだけで幸せになれる映画である。マードゥリ復帰第一作としてはしっかり作られたと言えるのではないだろうか。最近ボリウッドで流行のアクション映画よりは遥かに見る価値があるボリウッド映画だというのが結論である

映画・テレビ
2007/12/17




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