眉毛犬を探して…学生時代のことです。ぼくは京都の周辺地で発掘のバイトをしていました。平安京に供給されていた須恵器の窯跡が出土するので、それを掘り起こしていたのです。遺跡の発掘といっても古墳などのように繊細ではないので、作業員を手配する業者さんが、人足のおじさんを数名送り込んできて、穴を掘ってもらったりしていて、それを学生であるぼくたちがサポートするといった按配でした。
人足のおじさんたちは、とても動物好きで、上手に雀を捕まえて手乗りに仕立ててみたりしていましたが、ある日、のら犬をどこかから見つけてきてシロと名づけてかわいがっていました。もちろんバイトのぼくたちもおじさんたちとは仲良くしていたので、シロも仲間としてかわいがりました。
ある雨の日でした。しょぼくれた顔をしてシロがベロを出して座っていました。ぼくは、ちょっとイタズラ心がわいてきて、脇にあったマジックペンをおもむろに手に取り、シロの顔にサッサッサッと眉毛を描いてあげたのです。
さぁ、どうでしょう。さっきまでしょぼくれていたシロは、とたんに笑い顔に変身したのです。ベロを出して、ぼくたちをニコニコしながら見つけているではありませんか。なんと、かわいいことでしょう。それ以来、彼は100m離れても笑っているように見えるイイ犬になりました。みんな、ますますシロが好きになった
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