サンジャックへの道
「女はみんな生きている」で横暴な男たちに手厳しい一発を浴びせたコリーヌ・セロー監督、なんと「サンジャックへの道」では弱い男たちを抱き寄せて抱擁しているようなのね~。
「サンジャックへの道」に登場する男たちはそれぞれに問題を抱えている。問題あり男たちのオンパレード。
アル中、体が弱いと思いこんで薬漬けの男、失読症の若者、見栄っ張り、大鼾をかく三人連れ・・・等々。
それにたいして女性のほうは癌でも弱さを隠して毅然としていたり、失業中の夫をもつ教師だったりと精神的に強い感じ。強くなくちゃと頑張りすぎの感ありの、みてて疲れるタイプの女たちではるのだけど。
でも、こういうちょっと極端な描き方を通してしみじみと感じられてきたのは、男らしく女らしくという縛りを解き放って男も女もラクになろうよという応援歌みたいなものかな。
男と女が角突き合わせるのではなくて、女も強い、男も弱い、というところをさらけ出しあって認め合って抱きとめ合っていこう~♪みたいな応援歌。
巡礼の旅のなかで背負い込んでいたものを捨ててラクになっていく過程が、まるでこちらもいっしょに巡礼の旅をしていっしょに裸の自分に戻っていくような感じがするの。
重すぎる荷物を道ばたに捨てて軽くなって走っていくシーンがあるけどまさにそれ。
みおわると巡礼に出たくなる。
文明にどっぷり浸かりきった自分をふりだしに戻してみたくなる。
「女はみんな生きている」のときは面白かったけど私の場合はそこに共感は生まれなかった。
ところが「サンジャックへの道」では映画の中の凸凹な巡礼者たち一人一人のなかに自分の一部を見いだす。
そして私は彼らの旅の仲間になっている。
美しい風景と素敵な名場面がてんこ盛り、優しく心にしみる。
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