スタインウェイピアノの秘密

*** 米国特許に見るスタインウェイピアノの設計思想 ***

* ピアノ作りと特許情報の意義

ピアノに関する特許は新規なピアノの発明に限らず、むしろ実用的に、構造、材料、形状寸法の特徴とその作用効果が明らかになった技術を特許として登録するものである。そこには目的や作用効果が表現されているので、それを設計思想として読み取ることができる。しかしながら楽器、特にピアノに関する個別の特許はそれが唯一の真実であるとは限らないし、二律背反的な要件も存在する場合もあるので最良の方法とは限らない。また、たとえなるほどと思える特許であっても必ずしもそれを使わなくてもピアノの形は作ることはできるものである。換言すれば論拠不明の形態の部位もいまだにあると言うことになる。

一方、製品を測ったり、製品を見ただけではわからない作り方や工程に関する技術は製造ノウハウとして秘すのが普通である。そのため特許や文献などには表現されてこないのでそこのところは推定するしかないが読みきれない場合もあるし、誤解する場合もある。現在であれば科学的な手段でピアノの音響現象や構造振動現象を解明して構造や作り方を進化させ、特許に値する発明になる可能性もあるだろう。

また量産ピアノにあっては品質とコストを優先するため、作り方や工程や材質などを合理化と称して変更するものである。時として生産の拠点を製造ノウハウとともに海外に移転することもある。そのようなときに往々にして初期の設計思想が希薄化する。当時の初期のピアノは楽器としてはもっと良かったと言うことになる。

* スタインウェイピアノに関する米国特許

 スタインウェイ社のコンサートグランドは現在でも名声が高く、多くのホールに常設されていて、ピアニストによりコンサートやコンクールなどに好んで使われる。その特徴はどのような設計思想に基づいて作られているのだろうか。S社の三十年程前のカタログには十四件の特許が重要特許として挙

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楽器
2008/07/03




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