ひつじが丘三浦綾子 主婦の友社 1966.12.10
しかし、ことここに至っては何も言うまい。愛するとは、相手を生かすことであり、またゆるすということであることを、今改めて言っておく。いかなることがあっても、わたしたちはお前を捨てない。自分から出て行った家には戻りにくかろうが、別に勘当されたわけではない。いつでも遊びに帰っておいで。
抜き出し文は主人公の両親からの手紙。主人公の奈緒実は、一時の見誤りから女遊びのキツイ男と結婚してしまい、そのことで悩む。そこに高校時代の教師との三角関係も絡んでいく。この奈緒実の両親はキリスト教信者なのだが、こういう風な手紙が書けることがすごい。奈緒実の身になってつい涙ぐんでしまった。
本作のテーマはゆるすということだろう。人間はいったいどれくらいゆるすことができるのだろう。どんなひどいことをされても「ゆるす」ことができる人を尊敬する。自分には無理だ。どうしても自分大事に思ってしまう。年をとれば、「ゆるす」精神をもつことができるのだろうか。
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