おゆみ野もバラの季節に5月になると、各家の庭にバラが咲き始める。一度はのめりこみたい世界だが、まだバラを育てる心の余裕がない。それで、歩きながら、達人のバラを堪能する。
バラというと、いつもサン=テグジュペリの「星の王子さま」を思い出す。王子さまが自分の星に残してきたバラのことだ。旅で出会ったキツネから、王子さまの残してきたバラは、この世にたったひとつしかないバラだ、と教えられる。キツネの別れ際の言葉はこうである。「さっきの秘密をいおうかね。なに、なんでもないことだよ。心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目にみえないんだよ」。
今年1月、私より2つ年下の友人が亡くなった。喉頭がんだった。手術を受ける前の日、声を失うことがわかっていた彼は10歳になる息子に「星の王子さま」を読み聞かせた。そして、それをビデオに撮ったという。この本の意味を理解して私が泣いたのは、もう40歳近くなってからだと思う。彼の遺志が息子に届くことを祈る。
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