~砂漠の小さな花~ 106話~やっと伝わった心~
「その時の瀬伊太は―…力が弱かった。俺たちが成長するのと同じで、竜も俺たちの成長と共に強くなる。だから、俺の父さんには歯が立たなかったんだ。」
「君は…僕らを守ろうと…?」
ちょっと待ってよ。僕は…ずっと誤解していたのか?瀬伊太が…瀬伊太がやったと、ずっと、ずっと勘違いをしていたのか…?
だが、王は言った。やったのは『こいつ』だと。
まだ本当の真実って言うものが、僕と瀬伊太は分かってない。でも、王が自分の弟がもしかしたら、奇跡的に、復活した時のための保険の為だったんじゃないか。瀬伊太は…長二年の間、僕と一緒に戦ったり、学んだり、笑ったり……してきた。
捨て子だという、言葉のハンデがあったのに、瀬伊太は一番に僕に笑いかけてくれた。咲妃羅さんとの態度と、紙一枚の差もない程に。
「嬉しかった…。嬉しかったんだよ、僕は。」
「ん…?何の話だ?」
そう言って、首をかしげた風羅さんの銀髪が、太陽に照らされて美しく輝いている。風羅さんは、自分だけが銀髪で生まれてきた事で、いろんな事を言われていただろう。だが、それを含めてたくさんの事を乗り越えてきた強さが、目にも髪にも言葉にも、力強くあることが分かる。
「瀬伊太が、僕に優しく接してくれていた事。それが、すごく嬉しかった。」
「セン…」
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