~砂漠の小さな花~ 103話

~小さな奏太~

 

 僕は、菫ちゃんの部屋へと急いで入った。誰かに見られていたら、ずっと監視されてしまうから。菫ちゃんの部屋へと飛び込むと、僕は、少しだけ家具の配置が変わっている事に気がついた。僕が、菫ちゃんの部屋へ来たのは、菫ちゃんが死んですぐ後のことだった。

 そう、その時は悲しみにくれていたけど、鏡がおかしい事に気付いたんだ。ずっと、僕は菫ちゃんの綺麗な鏡を見ていて…鏡にはやっぱり自分の姿しか映らなかった。だけど、その時この鏡が少しおかしい事に気付いた。

 その鏡は今どうなっているんだろ…。

 僕はその透き通るような大きな鏡の前へと立った。お兄ちゃん達に比べて、まだまだ小さい僕は、その鏡に全身が映る。この鏡で菫ちゃんはいつも、綺麗にしていたのか…。

「あれ…。紙……?」

 鏡の下に文章がぎっしり詰まっている、小さな紙が置いてあった。僕以外の誰かも、この鏡の異変に気付いたのかな。僕はそのメモを手に取った。咲妃羅ちゃんが書くような、すごく雰囲気のある文字で、こう書かれてあった。

『奏太君…。君がこれを見つけたか、どうかは分かりませんが…あなたに伝えたい事があります。でも、奏太君ならきっと見つけていることでしょう。私は、あなたに見つけられたと思って話します。』

 菫ちゃんの…遺書…?僕は必死に目をはしらせた。

『まず…咲妃羅と瀬伊太は生きている。風羅兄を探して…。センは敵。だが、味方でもある。…瀬伊太ではなく、奏太にこのビレィド国がかかっていると思う。』

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~砂漠の小さな花~
2009/04/03




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