~砂漠の小さな花~ 104話~現在の配置~
「セン……」
俺はセンの姿を見た時、世界がグラリと揺れたような気がした。センとの契約を守らなければいけない…。そういう思いがほんの一瞬、俺の脳裏をよぎった。そんな考えが少しでもあるということは、やっぱり、俺は何にも分かってなかったのだろうか。みんなが伝えてくれていたメッセージを、聞いてなかったのかよ。
「それより…王が殺したとはどういうことですか。」
センは冷淡に言った。風羅兄はさっき動揺していると言っていたけど、そんな様子はこれっぽちも、今のセンにはなかった。それとも、動揺を隠しているだけかもしれない。
「まず、セン。君はどうして、瀬伊太と瀬伊太の父さんが風間一族の所にいたのか知ってるか?」
「いえ。ですが…瀬伊太は僕たちの一族を滅ぼしに…。僕ら両族は決して良い関係だとは言えませんでしたからね。」
「じゃあ、話が長くなるなー…」
風羅兄はこんな状況なのにも、関わらずにこっと笑った。風羅兄はいつもそうだ。どんな相手だろうが、どんな奴だろうが、風羅兄は誰でも優しく接した。今でもそうだ。センは敵という関係でいるのに、何一つ俺にとる態度と変わらねえ。
でも、俺もセンは恐いけど、ずっと仲良くいたいと思っているんだ。自分でも信じられないけど…。
センは俺の…数少ない友達だからな。
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