スニーカー/More Than Just 誰でも時には、胸がせつなくなるようなメロディをもった曲を聴きたくなります。そういう時、僕にとって一番に思い浮かぶのは、スニーカーというグループの「More Than Just」という曲です。80年代の前半にLAで結成されたこのグループは、高音の甘い声質をもったマイケル・ケアリー・シュナイダー(vo,key)とギタリストのミッチ・クレイン(g)を中心にした6人編成のバンドで、「More Than Just」でのロマンチックな風合いとは裏腹に、スティーリー・ダンの影響を色濃く受けたメンバーの集まりだったようです。グループの全体像としての見方については、いつかまたNight-Planeさんに解説していただくとして、僕はその「More Than Just」についてのみ、その胸に染み入るようなメロディの良さをお伝えしてみたいと思いました。
グループ名「スニーカー」も、なんとなくセンチメンタルな響きをもった名前ですが、そのイメージをうまく用いて、このバラードには「想い出のスニーカー」という邦題がつけられていました。そのせいか、本来の歌詞は純然たるラブソングであったはずが、青春のセピア色の想い出を綴っているようにも聴こえてきます。静かなピアノの美しい旋律から始まり、マイケルの柔らかく温かみを帯びた、なおかつ若々しさにも溢れた歌声が響いてきて、それをシンフォニックなバックサウンドが包み込んでいきます。盛り上がりの部分でも仰々しさは一切みせないまま、ひたすらせつなさがつのっていくような流れのままで曲は最終まで進んでいきます。
この「More Than Just」を聴きたいがために、僕は年に何度かスニーカーのCDを取り出しては、気持ちをゆったりとさせるように聴きいっています。星の数ほどあるバラードの中でも、聴く度にこれほど深く心にせまってくるような曲には、そうそう出会えるものではないと思います。
スニーカーの「More Than Just」、まさに珠玉の名バラードと呼ぶにふさわしい作品としてご案内したいと思います。(S.Y)
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