「ネイションという神話」第4回 オドアケル前回「歴史の本を読むことは、ジグソーパズルをするようなものだな、と、つくづく感じています」とお話しましたが、歴史のピースを組み合わせた例 を ご紹介させて頂きます。
ギアリの「ネイションという神話」を読んでいると、次のようなオドアケルの記述にびっくりしました。
「サクソン人海賊は、3世紀(200年代)に北海沿岸から(ローマ)帝国に侵入してきたが、
幾つかのサクソン人軍団は、それ以降ずっとローマ軍に仕えていた。
5世紀(400年代)に、その中の一集団がガリアに現れた。
彼らは、後にイタリアの支配者となった蛮族の王 と恐らく同じ人物であるオドアケルに
率いられていた。」
<出 所> パトリック・J・ギアリ「ネイションという神話」(183㌻、白水社)
注に、グレゴリウス「フランク史」第2巻18 とギアリの記述の出所が記されていましたので、
早速 フランク史を ひもといてみましたところ、概略は次の通りでした。
463年 オルレアンの戦いで、
ローマ人 アエギディウス と フランク人キルデリクス1世(クローヴィスの父)の連合軍 が、
西ゴート テオドリック2世に勝利した後、
オドアケルが、サクソン人を率いて アンジェに やって来ました。
サクソン人は、ソーミュール と アンジェの間の ロワール川の島 を 基地にして、
アンジェを占領し、近隣を荒らし回ったのですが、
アエギディウス没後、フランクのキルデリクス1世に敗れて、盟約を結び、
イタリアに去って、イタリアの一部を荒らし回っていたアレマン人を征服した。
(注) アエギディウス の 没年 464年 or 465年
<出 所> トゥールのグレゴリウス「歴史十巻」(フランク史) 第2巻18、19
東海大学出版会版 Ⅰ-127㌻
新評論版 73㌻
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