「ヨーロッパ文化発展の経済的社会的基礎」アルフォンス・ドプシュ著
「ヨーロッパ文化発展の経済的社会的基礎」(創文社 名著翻訳叢書)
を、やっと読み終えました。
アルフォンス・ドプシュ Alfons Dopsch
1868年6月14日(明治元年)
ベーメン(チェコ)北部 ローボジッツ(ロボシッツェ)で 誕生
ウィーン大学 で学び ウィーン大学教授
20世紀前半のドイツを代表する 中世史の歴史家
1953年9月1日(昭和28年)
ウィーン郊外 ジーフェリング で 没 (享年 85才)
「ヨーロッパ文化発展の経済的社会的基礎」は、
第1巻 1918年、 第2巻 1920年 に出版され
決定版である第2版が、1923年、1924年 に 出版されています。
本書は、
1000ページの大作で、
民族移動からカロリング朝の時代について、フランクは勿論、東ゴートやランゴバルド、西ゴート、アングロサクソン、ザクセンなどのドイツのゲルマン民族について詳細に論じて、
「蛮族が、ローマ文明を滅ぼした」との通説である「文化破壊説」に真っ向から反駁した本です。
ゲルマン民族は、
軍隊、行政官庁、家宅、農園で、奉公人やコローヌスとしてローマ社会に入っていったのであり、決してローマ文明を知らない非文化的な蛮族ではなく、
ローマの遺産を継承発展させた、との「文化連続説」は、非常に説得力があります。
また、
メロヴィング朝よりカロリング朝、
東ゴートからランゴバルトにおけるイタリア、
更には、西ゴート支配のスペインについての、
社会構造の歴史的発展の分析は、この時代に興味のある人にとって、必読の文献であるといってよいと思います。
特に、カール・マルテルが、
トゥール・ポワティエでイスラム軍と戦う為に、急遽 教会より召し上げた土地を部下に与えて、重装騎馬兵を創設し、これがレーン制(封建制)の始まりであるとの通説を論破した部分は、この本のハイライトといってよいでしょう。
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