剱岳 -点の記-
(大日岳より剱を望む・・・)
ついに・・とうとう・・・点の記が・・・。
なんとも複雑な気分・・・。
映画化されると聞いたとき、
あぁ、また沢山の人で溢れかえってしまうんだろうな・・・。
と大きなため息をついてしまった。
いつも思うこと、小説の映画化ってどうなんだろう・・・。
表現の方法として「文字」を選んだ人にとって、
自分の作品が映像になる。
「八甲田山 死の彷徨」
も確かによかった・・・でも・・・。
新田次郎さんの山関係の小説(新田さんは山岳小説家と呼ばれるのを嫌ったそう)の
中で最も好きだっただけに、ショックは大きい。
2000年のあの日、なっちはセンターの岩の上でいつも考え事をして、
話しかける隙をちっとも見せてくれなかった。
その目線の先にはいつも「剱」があった。
「剱」を岩をこよなく愛しているなっち・・・。
彼女はクライマーであるが故に大きな問題にぶつかっていた。
「ハーケンを打ち込むとき、剱は痛くないのだろうか?」
打ち込み、壁にしがみつくだび彼女の心は揺れて痛みが増しているようだった。
「でも、剱に触れていたい・・・」
私はクライミングをしたことがなかったし、そのときはまだ剱に登った事さえなかった。
岩々した山が嫌いだったし、花のない山に全く興味がなかった。
ましてや垂直の岩場なんて・・・。
「違うアプローチの方法もあるし、自然保護と自然保全は違うんだよ」
と彼女に色々と熱く語ったが、
あの時の岩のように硬く閉じたなっちには届かなかったように思う。
それから私はなっちをここまで虜にする「剱」に登ってみたくなった。
もちろんノーマルルートだったけれど。
整備された岩の道、あらゆるところに鎖やはしご・・・。
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