山松ゆうきち/山松Very Best of Early Yearsの巻まったくもって救いようのない漫画のオンパレード。自力で這い上がり世間をみかえすこともなく当然あしながおじさんや白馬の王子様なんぞも現れない。ひたすら泥沼であえぎみっともない最後をとげる人々。マイノリティーのリアルを夢も希望もない世界と冷徹な視線で描かれる悲惨な登場人物たち。しかしそこにはここでしか生きられないと睨みをきかし悲しくも踏ん張る人がいる。が、常に負けなのだ。くそばばの詩シリーズ泣くなかあちゃんでは終戦後のドタバタの中餓死しそうになっていた黒人の少女(尚子と名づける)をかあちゃんが家につれて帰る。それでなくともひもじい生活。食うや食わずの毎日そして差別、いじめ。呑んだくれるとうちゃん。尚子はそんなとうちゃんになじめずとうちゃんとは呼ばずおじさんと呼んでいる。ある日黒人のジョージに尚子を養子にやる話をとうちゃんがつけてくる。別れの前日。村の運動会。一等の商品は以前から尚子が欲しがっていた自転車。必死に走るかあちゃん。そしてとうちゃん。尚子は必死に応援するがんばれかあちゃん、がんばれとうちゃんと。しかし一等はとれずかなしい別れとなるのだ。とゆうかかなりしょぼくれた別れなのだ。そのほか春を売る青春その年73(73才の売春婦の話)やがんばれストリッパー(これまた高齢のストリッパーの話)そしてなんとも胸をしめつけられる新聞屋のひばりちゃん(純粋さやけなげさがすべて貧乏にコーティングされそこからぬけだせないままみんなから忘れ去られていく少女の話)名作ぞろいなのだ。
すべてにおいて暗い話なのだが絵柄の不器用な感じやらコマ割りの適当さ(クライマックスでコマが小さくなったりする)独特な台詞回しなどで悲惨なストーリーなのに笑ってしまうのである。いつしか暗い話なのに笑ってしまう自分の魂が山松迷宮の中でクニャクニャにされ気づくとまた読み返しているのだ。おすすめの漫画なのだ。
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