第34話 『エリザベート』ウィーン版の「エリザベート」が新宿コマ劇場で上演されている。通常は豪華なセットが用意される舞台だが、ウィーンからフルキャストは呼んでいるものの、セットなしで歌と衣装のみのエリザベートであった。エリザベートはマヤ・ハクフォート、トートはマテ・カマラス。セットがないかわりに、オーケストラを舞台に上げて上演された。どんなものかと不安であったが、最前列中央のプレミアシートを取った。舞台から30センチほどの距離にいたせいもあるのだろうが、最初から涙が止まらなかった。
圧倒的な歌唱力にまず涙、言葉の美しさにまた涙、深みのある歌詞に涙、そして様々な苦難と葛藤に苦しむエリザベートの人生に涙であった。余りに涙が出たので、休憩時間に、ザウルスの画面を開けたが、目がかかすんで画面が見えなかった。それでも、ザウルスで、なんとか出版社に打ち合わせのメールを送ろうとする自分が悲しかった。
エリザベートの息子、皇太子ルドルフが歌う「僕はママの鏡だから」は、思春期の息子を持つ私には、聴いているのが本当につらかった。ウィーン版「エリザベート」は5月18日まで。
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