第43話 新刊とザウルス

昨年一年間、裁判員制度と国語力の関係について調べてきたが、4月10日、ついに新刊が店頭に並ぶ。本のタイトルは『その国語力で裁判員になれますか?』(明治書院http://www.meijishoin.co.jp/である。弁護士で参議院議員の丸山和也さんが帯に推薦のお言葉を寄せてくださり、国語教育と司法との融合の夢は現実のものとなった。裁判員に最も必要な力は「国語力」であることは疑いようも無いが、法廷で交わされるやりとりのどの部分で、どのような国語力が裁判員に要求されるのかを明らかにすることは難しい。裁判の傍聴をしては考え、考えては傍聴をしての繰り返しであったが、本書に希望の光を与えてくれたのはやはりザウルスであった。

裁判の「証拠調べ」と呼ばれる段階での検察官の話はとても速く、ザウルスでなければ到底メモなどできない速さである。録音が許されない法廷で全てを記憶して帰るためにはメモに頼るしかない。ザウルスなら裁判のほぼ全てをメモすることができ、ザウルスのメモを見ると、瞬時に裁判の全容を思い出すことができる。このような繰り返しが、私の裁判への理解を急速に深めることになった。もしザウルスが無かったら、出版はもう一年遅れていたに違いない。

実際にはまだ始まっていない裁判員制度だが、ザウルスの裁判の傍聴メモに、ザウルスに書き留めた構想メモを重ねていくと、不思議なことに裁判員が何に戸惑い、何を必要とするかが見えてくる。ザウルスは未来を予言する魔法の杖である。

ザウルスで仕事
2008/04/06




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