父壁

またもや、プレイバックレビュー掲載になっておりますが、4月の連休始めに吉祥寺の劇団スタジオにて大駱駝艦・壺中天公演(若手舞踏家による新作公演)を観る。
でもって、もの凄いものを観させていただいた!感謝!!

今回は塩谷智司さん初の作品(振り付け/演出/美術)の「父壁」。
彼のお父様が少年刑務所の刑務官だったということで今回の作品はその父へのオマージュということらしい。
壁の中の父親→父という壁のように大きな存在→自分自身が父に近づいて行くこと→少年というものの社会におけるあいまいな位置→少年刑務所の外の大人の世界、またその矛盾した世界...
一間ほどの狭くて小さい空間が瞬時にしてこれほどまでに変幻するのかと驚くほど、演出家のアイディアによりシーンによって次々と新しい世界を見せてくれる。
冒頭、劇場いっぱいに、客席ぎりぎりまで占領している大きな木の壁、その全ての世界を支配しているかのような壁面へへばりついていくランドセルを背負った少年(塩谷)。
白い裸体が、そして時には黒い裸体が、そして時として白塗りの顔面だけが暗闇の舞台の中で命の輝きを放つ。

事前の情報もなく、舞台上には言葉がない公演にもかかわらず、客席には確実に一体感が。その場に居合わせた客(ほぼ間違いなく断言出来るが)全員が舞台と関わりあうことができた、素晴らしい観劇体験だった。

終演後には自然と「ブラヴォー」の声がわき上がり、客席内が明るくなるとその観客の1割ほどが外国人であることが判明する。

これって、いわゆる演劇的(舞台芸術的)事件ですよ。ほんと。

今、日本の中で、海外に一倍近い位置にいるアーティストが、間違いなく彼らー大駱駝艦ーなのだと確信する。

観劇
2009/05/11




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