サブプライムとリスク分散

先週に比べてだいぶ落ち着いた感が出てきたサブプライムローン問題。こんなに騒がれる原因となったのは
・残高が推定200兆円とも言われるほど大きい
・誰が真のリスク保有者なのかが不透明※
・担保になっている不動産のたたき売りが始まる懸念
※CDOにまとめられてトランシェ別に切り売りされた上、ファンドが保有していても最終的にそのリスクを負うのはその出資者である銀行や証券会社やそのほかの機関投資家なわけで

ってとこなんじゃないのでしょうか。しかし、この問題はリスク分散という視点からみるとなんとも言えない皮肉なんじゃないだろうか。

というのも、本来サブプライムをCDOにまとめてトランシェ別に切り売りすることで、サブプライムの保有者は自分の保有するリスクを分散したことになり、リスク分散できなかったときよりも適切な貸出とリスク管理ができていることになるはずである。

また、サブプライムの保有者から分散されたリスクを受け取った者は、そのリスクをそれに対するリターンがある(自社はそのリスクに耐えうる)と考え、好んでリスクを受け取っているはずだ。

さらに、経済全体としてもサブプライムの債務不履行というリスクを、サブプライムの保有者(銀行)に集中させずに様々な経済主体(企業、ファンド、年金、投信など)に分散させることができるので、有効な手段だったはずではないのだろうか。

それが、不幸なことにサブプライムの債務不履行の損失を誰が負担するのかが(市場の投資家から見れば)不透明なために市場が疑心暗鬼になり、関係しそうな企業すべてに対して否定的な見方をしてしまったために先週の世界的な株の下落ということにつながってしまったのではないのだろうか。

もちろん、サブプライムのリスクに対する保有者の見方が甘かったということや、格付け機関の基準が適切であったか、CDOにまとめたときの方法はリスクの存在を適切に説明できるものであったかなど、問題点は多々あるのだろうが、通常好ましいリスク分散という手法が経済全体に一時的なのかもしれないがマイナスに働いてしまったわけで。

経済
2007/08/28




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