今はまだ知らなくていい音楽には、聴く人の記憶が宿ります。
みなさんにも「この曲を聴くとあの時のことを思いだすなー」なんていう思い出の曲があるんじゃないですか?
あたしにもたくさんあります。
不思議なもので曲と一緒に感情もしまい込まれているから、幸せにひたれる曲と辛すぎて聴けない曲とありますよね。
あたしは辛い時、いつも音楽と小説に助けられてなんとか立ち上がってきました。
音楽はひたすら同じ曲をくり返しくり返し聴いていました。
だから聴くと、辛かった当時の行き場のない感情や灰色に見える街、空気の匂いやなんかが鮮明によみがえってきて、いてもたってもいられなくなります。
ある時期、頑張っても頑張っても頑張ってもむくわれなくて・・・そこに追い打ちをかけるようにショックな出来事が続いて「世の中はなんて不公平なんだ」と毎日嘆いていました。
それは冬の一番寒い時期だったのですが、雨の日が続き、夜は「寒い」ということだけで泣けそうなほどでした。
あたしは毎日終電近い電車で帰り、駅前のコンビニで夕飯を買い、心身ともにへとへとになりながらお墓のそばをとぼとぼと歩いて帰るのです。
寒さと、この虚しさと、不公平さにすっかりくじけてしまいそうになっているあたしを助けてくれたのは、クラムボンのloop bridgeという曲でした。
「ながい雨はふりやんだよ みんな流れていった じっとしていようね 通り過ぎるまでは」
「ながい雨がふりつづいて すこしきれいになった ときがたてばわかるね 今はまだ知らなくていい」
ザーザー降りの中、泣きながら傘をさして歩いているあたしにぴったりの曲でした。
ひたすらじっとして通り過ぎるのを待とうと思えたし、今は不公平に思えることもきっとどこかでつり合いがとれてるはずだとも思えたし、こういう思いをすることにはきっと意味があって、今はまだその意味がわからなくて辛くても必ずわかる時がくるんだと思えました。今はまだ知らなくていいんだ。
そしたら全部受けとめられました。すべてのことに意味があるなら、すべてのことがこの先につながってるなら、つねに誠実であろうと理性を失いそうな時も思えました。
雨は本当にながかった。。。もうやまないかと思ったもん。
そしてやっと、あの時の意味がわかる時がきたかな?
もうふらないでほしい。
ちょっとジタバタしたけど、やっとやませることができたんだもん。
お願いだから、もうふらないで。
次はもう傘をさす力も残ってないよ。
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