マリーはアレルヤと初めてのデートに出かけた。
刹那がここならいいんじゃないかと勧めてくれたのが、経済特区・東京の繁華街だった。
確かにここなら安全だ。完全中立を守っているそこなら、マリーも嫌な思いはしないで済むだろう。
「マリー、ここでいい?」
「うん、アレルヤ」
アレルヤの問いにマリーが答える。
二人は渋谷と呼ばれる街へトレインで行き、人で賑わう繁華街を見て回った。
アレルヤはマリーが迷子にならないようにと、彼女の手を握る。
マリーは真っ赤になった。
「ごめん。嫌だった?」
「う、ううん。そんなことない。アレルヤとだったら」
「そう。有難う」
アレルヤも僅かに頬を染めて答える。
二人は歩きだした。
美男美女のカップルなので、嫌でも目立つ。
マリーに声をかけてくる、どこかの業者らしい男も大勢いた。
その度に、アレルヤが鋭い眼光で追い払う。
マリーはそんなアレルヤが頼もしくてならなかった。
「マリー、おなか空いてない? そろそろお昼にしよう」
「うん」
アレルヤは手軽な値段で定食を提供している、「大戸屋」という店に入った。
ちょうどお昼寸前だったため、席は満席に近い。だが店員は二人分の席ならあると、二人を案内してくれた。
「マリー、何が食べたい? ここ、日本食のお店だけど、お箸とか使える?」
「日本食は初めてだけど、多分大丈夫」
マリーが答える。
アレルヤはメニューを見て、大戸屋スペシャルランチをマリーに見せた。
「これなんか美味しそうだよ」
「そうね。じゃ、それにする。アレルヤは?」
「僕も同じのを頼むよ」
アレルヤは店員を呼んだ。
メニューを見せて、片言の日本語で説明する。
店員は判ったというように礼をすると、テーブルから去って行った。
アレルヤは、テーブルの上に無造作に置かれたマリーの手を再び握る。
「マリー。好きだよ」
「アレルヤ……私も」
そう言い、二人は場所も忘れて口づけをしそうになる。
と、そこへ店員が声をかけてきた。
「お茶でございます」
二人は慌てて何事もなかったように手を放す。
店員は、
「お熱いカップルですね。羨ましいです」
と言い、お茶を置いて去って行った。
そんな店員を見送り、アレルヤとマリーは