チューリップモドキ (超短編)

 埋めた覚えもないのに、チューリップらしき芽が三つ庭の真ん中に出ていた。これから夏を迎えるというのに誰の仕業なのかと家じゅう聞きまわったら、庭に出てきた祖母が「ああ、これはチューリップもどきだね」と言った。たっぷり水をあげて育てればおもしろいものが見れるよと、意味ありげに笑う。

 それから毎朝水をやるのが日課になった。芽は順調に伸びてきたが、日当たりに恵まれているにもかかわらず、真っ黄色になってしまった。数日たつと成長が止まり、その芽を押し上げるように土から白くて丸いものが突き出てきた。それはカビのようなほわほわしたものに包まれている。とんでもないことになっているのではないかと祖母に相談したが、一目見て「順調、順調」とすぐに去ってしまった。

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超短編
2007/01/30




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