水野晴郎さん追悼水野さんが亡くなられた。丁度僕らがテレビの洋画劇場で映画を観はじめた頃に日テレの水曜ロードショーの枠で解説をはじめられた。72年か73年の頃だったと思う。当時テレビの洋画枠は老舗のテレ朝淀川長治、土曜映画劇場増田貴光、TBS月曜ロードショー荻昌弘、フジテレビのゴールデン洋画劇場の高嶋忠夫と必ず名物解説者がいた。勿論日曜の淀川さんが人気ナンバーワンだったが、その次に人気があったのが水野さんだった。当時から映画評論家ではない高島忠夫やホモ疑惑の増田貴光は中学生には人気がなかった。「いやー映画って本当に素晴らしいですね」この言葉で何度も映画を観に行きたいと思ったのは事実だ。印象的だったのはオルドリッチの「ヴェラクルス」と「人食いアメーバの恐怖(マックイーンの絶対の危機」。日テレは後発の洋画枠だったので、どうしても大作名画は日曜、次に月曜で、新作が早いのがフジテレビだったと思う。水曜の水野さんの枠での最初の目玉は「大空港」と「風と共に去りぬ」の前後編放送だった。
僕が直接お会いしたのは「ケータイ刑事THE MOVIE」の撮影現場。当時からあまり夜は出歩けないと言うことで、水野さん知っている、近くのラーメン屋さんをお借りしての撮影だった。印象的だったのは初号試写を観に五反田のイマジカまで来ていただいた時のこと、場内でだれよりも声を上げて笑っていただき、初号試写の緊張感を吹き飛ばしてくれた。
その時のこと。打ち上げでも壇上に立った時、「ケータイ刑事 THE MOVIE」がいかにすばらしいかを水曜ロードショーの解説を彷彿とさせる名調子で語ってくれた。中学生の頃から「風と共に去りぬ」を語っていたのと同じ口調で「いやあ、私は今日の映画を観て創っているスタッフの皆さんが本当に映画を愛してらっしゃるんだなあと感動しました。いやあ映画って、「ケータイ刑事THEMOVIE」って本当に素晴らしいものですね」と語ってくれた時、僕はとても感動したのを覚えている。
水野さんと言えば水曜ロードショーの人であり後年は「シベリア超特急」の人だったが、若いころは「映画評論」誌上で東映時代劇が大好きで加藤泰を作家として誰よりも認めていた評論家であったと言うことも忘れてはならないだろう。水野晴郎企画 加藤泰監督による幻の企画「好色一代女」と言うものまであったのも事実だ。
改めてご冥福をお祈りします。
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