先月の読書「弟を殺した彼と、僕」原田正治
『長谷川敏彦君は、僕の弟を殺害した男です。』
この一文でこの本は始まる。
1983年、末弟を殺された原田氏。
10年後に長谷川死刑囚と、遺族として面会をする。
そして死刑の確定した長谷川死刑囚の
刑の停止を求め奔走する。
決して赦している訳ではない。
原田氏にとっては、長谷川死刑囚を憎む気持ちと、
彼の死刑の停止を求める行動に矛盾はない。
原田氏は自分達が「崖の下」から上るために
長谷川死刑囚と会って、話をすることが必要だった
という。
丁寧で簡潔な文章で、静かに語られる
「ある被害者遺族の気持ち」
なぜ死刑が必要なのか?
法は何のためか?
被害者遺族のために何が必要か?
被害者、加害者、そして両方の家族が受けた苦しみ。
こんなことが起こらないようにする為には、何ができるのか。
この本を読んで心に残ることを考え続けていきたい。
「月と六ペンス」ウィリアム・サマセット・モーム
画家ゴーギャンをモデルにした創作。
タイトルが抽象的で難解な本かと思っていたが、
思いのほか読みやすかった。
安定した仕事と家庭を捨て、突然出奔した中年男
ストリックランド。
作家志望の「私」がその後の彼の生涯を語る。
「私」の常識者っぷりに対し、ストリックランドの奔放さ
傍若無人さ、自由さゆえか、
時に悲惨な事件があり、ストリックランドの最期も
悲惨と呼べるよう
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