ケインズは何を主張したのか?(前編)090107

1.週刊朝日090116号に、「注目の論客が大胆鼎談」という経済記事が載っている。そこで小幡績.氏(慶應大学准教授・経済学博士)が次のような発言をされているのが面白い。

「私は逆の考えです。ケインズが言ったのは「経済はいったん止まったら動かない。皆がそろそろ活動してもいいかな・・そうしたときに政府が大量に支出を行うことで、経済全体の『初動』をうながす」ということです。政府がドカンと動いて効果が上がるのは将来に対する見通しを明るいものに変えうるときです。単に財政出動して需要を作っても、現状では、人々が悲観的でなくなる可能性はゼロですから、効果がない。だから、僕はむしろ、もう一度来る本当の危機のために財政出動はとっておいたほうがいいと考えます」(p.32)。

1.現在様々な説が乱れ飛んでおり、1つでも確実な情報が必要とされる。そして、ケインズが何を主張した人であるかは、確実に確認することが出来る。実はこの小幡氏発言は事実である。そのことは、ケインズ「一般理論」を紐解けば一目瞭然である。いくつかの言葉を引用しよう。

「不況が全く手に負えないものになるのは、実はこのためである。後になれば、利子率の低下が回復にとって大きな助けとなるであろう・・。しかし、しばらくの間は、資本の限界効率の崩壊が致命的であって、利子率を出来る限りどんなに引き下げてみても十分ではないであろう」(参考文献;p.316-317)。

つまりケインズは、大不況が起きたら財政出動だけではない、金利を幾ら下げても無駄だといっているのだ。

では、一体どれくらいの期間耐えたら、財政出動や低金利が有効な時期がやってくるのだろうか?

「下降運動の持続は偶然ではない一定の長さを持っており、その長さは、たとえば、今回は一年間、次回は一〇年間という幅の変動を示すのではなく、たとえば、三年ないし五年という幅の習慣的な規則性を示している・・」(p.317)。

「その理由は、第一に、一定の時代における正常な成長率との関係における耐久資産の寿命の長さによって与えられ、第二に、余剰在庫の持ち越し費用によって与えられる」(p.317)。

つまり、不況によって生産が止まることで、あまっているものが使い尽くされ、機械もおんぼろとなり、そろそろ物資が必要と感じられるようになる。そうなるともう1度、投資資本があまっているものとしてではなく、不足しているものと感じられるようになる。

「その後、使用、老朽、陳腐化を通ずる資本不足によって、限界効率を上昇させるに十分なほどの明白な希少性の状態が生ずるまでの期間の長さは、一定の時代における資本の平均的耐用年数のある

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2009/01/07




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