無題

 今だから言える、というか自分でもわかるようになったのだが――

 僕が就職したのは、怖かったからだ。三十才を過ぎて就職せず、漫画でもうまくいってないという状態が生み出す恐怖に耐えられなくなった。だから逃げた。
 僕にとって「就職」とは逃避以外の何物でもなかった。僕は自分に負けたのだ。自分を信じる代わりに、社会のシステムを信じてしまった。

 割とプログラムは得意なので、仕事は特に問題も無くこなせている。人間関係に悩むことも無い。外国相手の仕事が多いため、英語も得意になってきた。少なくとも読み書きについては苦ではなくなりつつある。

 それが、何だ?そんなものに何の意味がある?何も無い。心は空虚なままだ。
 だからといって僕が逃げ出したという事実には何の変化もない。
 僕は逃げた。やれることを全てやりきる前に逃げた。この心の弱さが敗因か。

 もう一度戦場に戻りたい。
 次は、もう絶対に逃げない。

「魂の叫び」という名の愚痴
2009/06/18




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