観察するということ

先週末の太極拳の講習会の時に、中国から来られた老師が繰り返し、

「よく見て。同じように練習しなさい。」

とおっしゃっていた。

単純な足先の向きや腕の角度、呼吸を吐いたときにどのように胸郭が動くのか。

自分では「こんな感じ?」と思っても全然できていないことのが多い。

それは、他の練習生をみていても思う。とかく人のことのほうが客観的に見えやすい。

だからといっていつも人に注意してもらえばいいかというと、どうもそうでもないらしい。

「何を、何のためにやっているのか」自分で内観しながら練習することが必要とのこと。

内観し、客観的視点も持ちながら、到達点を目指す。

自分のからだで感じたことだからこそ、その必要性がわかるし、実感できる。

これは、太極拳だけでなく普段の生活の中でも同じだろう。

なにが必要か、どうしたらいいか、頭で感じたり考えたりするだけでなく、からだの感覚もみてみる。

その決断に、からだの安定感はあるか、リラックスした状態であるか、元気がでる感じがするか…。

しかし、自分は仕事柄そういうからだの感覚に興味があるから着目するけれど、多くの人はあまり気にとめてはいない気がする。どちらかというと、人やメディアからの情報をアタマで処理することの方が多い。

情報も役に立つのだけど、それに触れたとき、からだがどういう反応をするのかを観察してみるのも面白いと思う。熱くなったり、活発になったり、かといってアタマでは「よさそう」と思っているのにからだはそのままで乗り気がなかったり。こういったからだの反応で、今自分にそれが必要かどうかがそのうち判断しやすくなってくる。

こごみ堂の仕事の中でも、そういった「自分のからだを自分で観察する」ということへのナビゲートを、わかりやすく楽しく伝えていけたら、と思っている。(それは整体という施術を通してもそうだし、ほかの手法を通してでも。)

そんなことを考えていたら、『自分の仕事をつくる』西村佳哲 (晶文社)という本と出会った。(ちくま文庫でも最近出されています。)その中での八木保さんの仕事場を訪ねた章で、「つくり手の観察力が低ければ、なんでもすぐに完成する。」「逆にそれが高いとなかなか完成に到達しない。」という文がある。観察力を高めることと「世界を感じ取る解像度」を上げることが完成度の高い仕事につながる、と西村氏は書いている。

まだ、読みかけですが、他の方々の仕事に対する思いや行動にとても惹きつけられる本です。

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こごみ堂のこと
2009/03/11




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