もったいないオマージュ

今家で『メイド刑事』なるバカバカしい「報道ステーションの後の時間帯のポップなミステリー」(確か同じカテゴリーに『モップガール』などがある)を見ていて、『スケバン刑事』級のくだらなさに頭がクラクラしていたのだけれど、見続けるうちに今回のエピソードにヒッチコックへのオマージュがあるのに気づいた。

しかも二作品、『サイコ』と『レベッカ』である。さらに、前者は「死んだ家族のミイラが登場する」というあからさまなものなのだけれど、後者はかの有名なトリュフォーのインタビュー本を熟読していないとわからないものなのだ。

しかもその表現が実に控えめなので、気づかなかった人が大半ではないだろうか。

具体的に言うと、『レベッカ』でヒッチコックは、ヒロインを脅えさせるメイド(そう、メイドである。だからこの作品にオマージュを捧げているのだ)ダンバース夫人の不気味さを表現するために、彼女が歩くところを画面に写さず、現れるときは常に「気づいたらそこにいる」という演出を採ったのだとトリュフォーに告白している。

今回の『メイド刑事』では岩佐真悠子がそのような現れ方をした後、脚を動かさずに、まるで台車に乗っているかのように(たぶん実際に乗っていたのだろう)すーっと移動していた。

何でそんなわかりにくい演出を、言ってみれば「オマージュの無駄遣い」をしたのか。

などと言っていたら、来週は南野陽子さんがゲスト出演して「おまんら、許さんぜよ!」と言うらしい。

それは逆にわかりやす過ぎます。

映画・テレビ
2009/08/01




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