彼らの創造物

 池田町立美術館の坂を上がりきったところの道路脇に、小さな方向指示風の我が店の看板がある。低い位置で目立たない。時々来客に見落とされる。自然の景観を損なわないようにと気配りしながら、精一杯の大きさにしているつもりなのだが、目立たないとお叱りをうけることがある。でも、目立とう目立とうとしている巷に溢れた看板に商いというか人間のエゴが見えて、嫌悪しているので、諦めていただくしかない。自然の景観が第一で、人間の営みはおすそ分け程度でよいと思う。

 その看板の上に、石ころがいくつか並べられている。一度撤去したのだが、再びいつのまにか並べられている。普段、子供たちが遊び場にしたり、よく通るところではない。だから、子供のいたずらだとは考えられない。カミさんが看板の周りにポピーとコスモスを植えて、しきり線として、地面に小石を並べてあるのだが、その石を拾って並べている様子でもなく、付近から石を拾って来て並べているようだ。

 北アルプスを望みながら、歩くこの農道は最高の散歩コースだと思っている。同じ思いで散歩しているのであろう一行がいる。山の上にある知能能障害を持つ人たちを預かっている養護施設の生徒さんたちが毎日のようにこの農道を、時々奇声を発しながら、散歩している。きっと彼らのなせる業だろうと想像する。彼らのクリエイテブな行動だろうとほほえましく思い、そっとしておくことした。出来ることなら、看板の下に、数センチのコスモスの赤ちゃんが生えているので、踏まないでいて貰いたいと密かに願っている。

2009/06/02




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