俳人の偽装死

 野に死なば 野を見て思へ 草の花

 娑婆にひとり 淋しさ思へ 置き火鉢

    蕉門十哲の一人、各務支考(1665-1731)は死んだふりをして、生前葬をしたことで知られる。「オレが死んだら世間の奴らは、オレのことを何というか、知りたいものだ」と妙な気を起こし、宝永8年(1711)死んだと偽って、弟子たちの名で追善句集まで出させ、その後は弟子の名に仮託して論敵をやっつけなお十数年も生きのびたという。死んだふりをすることを「佯死(ようし)」というが、今では偽装死というほうが一般的にわかりやすいだろう。

日本文学
2009/06/15




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