ウチ目均考(24)~独眼流,語る。

日本経済新聞第43440号(2006年12月20日)第17(投資・財務2)面

◇株主とは~私の市場論 ① 「賢い存在に謙虚に学ぶ」 (石井 久 立花証券取締役相談役)


☆ 久々に見た独眼流(念のために書いておくが「独眼竜」ではない)は,さすがに老いていた。83歳。相場師としては是銀と同じくらい長生きである。ただ,独眼流と是銀の違いは,後者が市場の外から参加し,それも専ら老年期に名を上げたのに対し,独眼流は名前の通り,相場の世界を生き,生き抜いた人である。有名な「桐一葉 落ちて天下の 秋(とき)を知る(=日経新聞の解説にある”スターリン暴落”を「予言」したエピソード」は,1953年のこと。独眼流30歳になろうかという時期の実話である。


☆ 市場人でありながら,独学で経済を学んできた彼らしく,日本経済の戦後の発展の原動力を証券市場に見る。これは事実だ。護送船団だの何だのというが,一方で資本自由化の荒波を乗り越えるには時価発行が出来なければならなかった訳だし,整備が遅れたことには多々問題を残しはしたものの,戦後経済を支えたのは間接金融だけではないこと(その最たる証拠が「日本興業銀行」だろうと考える)は事実だ。


☆ 独眼流が「相場の先行きは99%予測できる世界になった」と語っていることに違和感を感じる人も多いだろう。彼はいい加減な駄法螺を吹いているのではない。それはこんな発言とペアになっていることからも分かる「短期売買は相場をにぎやかにするが,長期的には弊害のほうが大きいのではないか」。独眼流は,長期的な経済の成長に投資収益の機会があるという考えなのである。


☆ 確かに「それはあんた(独眼流)が相場を張っていた時代(実はそんなに長くない。立花証券が潰れるどころか,一時は兜町を代表する個人投資家の店であったことが証明している)だけの話だ」という批判もあるかもしれない。しかし,どんな国家でも成長する産業と衰退する産業がある。いかに人気があっても後者を選ぶことなく,前者を捜し育てていく位の覚悟をもって相場に望めば,道は開けるだろう。さわかみファンドや竹田和平氏のようなよい見本もあるではないか。


☆ 先ほど引用した部分の直前に独眼流がこう話している。「最近のデイトレーダーのような短期志向の投資家はいかがなものか。コンピューターのおかげだと思うが,わずか十分程度で売ったり,買ったり,そんなやり方で財をなせる人はいない。」これにも反論があるのを知っている。「小手川君がいるじゃないかとか。。。」でもその彼ですら「相場を放り出したい」という発言をしたことがある。大局観を持たぬまま相場の奔流の中に身を投じるのは,以前も話したように丸腰で戦場に出るようなも

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経済・政治・国際
2006/12/21




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