郵便局がつぶれないわけ
調査の結果、首都圏住人の7割が「郵便局を使わなくなった」と答えている。手紙の代わりに電子メールを使うようになったのが大きいだろう。
『手紙を送る人』は確実に減っている。が、にもかかわらず『送られる手紙』の数は減っていない。それどころか増えてさえいるのだ。
呪いの手紙を書く幽霊が増えたのだろうか? そうではなかった。今まで手紙を出さなかったグループが、手紙を出すようになったのだ。
そのグループとは、犬や猫、ペットたちである。
ある郵便局員は、一度ならず何度も「爪あとしかない手紙」を見たと証言している。手紙を盗み見ることを趣味とする局員12人に聞いたが、うち11人がその類の手紙を見ている。
宛名など外から見える部分には人間の文字が使われており、配達員は通常、動物からの手紙だとは気づかない。
夜、引き出しを漁る音はしないだろうか? しまっておいた切手が減ったと言うことは?
ペットは賢くなっていると、あるペットショップ店員は言う。
「昔火も起こせなかった僕らが、今、月に船を送ってる。僕らは進歩します。動物もそうなんです」
このペットショップでは、ゲージに鍵をかけていない。もうほとんどのペットが鍵開けの技術を習得しているため、かけるだけ無駄なのだ。
「えさがおいしい限りはうちにいてくれますからね。ペットが脱走しないのは、できないんじゃなくてしないんですよ」
そんな技術どこで覚えるのだ? と言う問いに、専門家はこう答える。公園や散歩道。先輩のペットから教わるのですと。
「ただじゃれているようにも見える行動が、実は、高度な伝達の術であったりするのです」
では、何のために手紙を送っているのか? これは定かではない。証言してくれた局員たちも、宛名までは覚えていなかったため、手紙の行き先さえ不明な状況である。
私は人間の安全と利益を守るため、今後もこの現象を追って行きたいと思う。
* いずれ猫が書いた小説が出版されたり・・・あれ?
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