なぜ“円満退職”なのか

 なぜ、田母神俊雄・前空幕長が定年退職なのか。いまだに疑問がぬぐえない。

 職務は解任されたが、手続き中に定年退職の期限を迎えるのを理由に、懲戒処分は見送られた。文民統制を揺るがす事態を招いたとはいえ、後世の記録には「政治」は更迭直後の“円満退職”を容認した事実しか残らない。

 浜田靖一防衛相は、問題発覚直後の記者会見で「思想的な部分がかなり強い。懲戒処分に当たらない部分もある」と述べた。確かに懲戒免職の対象は、 長期欠勤や秘密漏えいをはじめとする違法事件などで、専門家にも、政府見解と異なる論文発表だけで免職処分は難しいとの指摘がある。

 しかし、一方で自衛隊法四六条は「隊員たるにふさわしくない行為のあった場合」を懲戒処分と定めている。隊員の身分保障に関する同四二条には「職 務に必要な適格性を欠く場合」などを除き、降任・免職されないことも規定するが、田母神氏の言動が「適格性」を欠いたことは明らかだ。

 田母神氏に対し「(更迭後に)防衛省は辞職を説得したが、拒否された」(麻生首相)という。しかし、辞職要求が拒否されたならば、防衛相は分限免職処分にはできなかったのか。

 分限処分は職務の適格性を欠くことなどを理由に、任命権者による免職や降任を可能にする規定だ。決定に不服があれば、取り消しを求める不服申し立 てができる。分限免職の場合、退職金は支給される。だが、文民統制を堅持する政治の強い意思を示すことができたと感じるのは、素人考えだろうか。

ソース:東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2008111402000101.html

2008/11/17




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