
~Sorry~
あの日からだ。
「本当の家族じゃない」
そう、知った日から。
僕は思った事を、伝えたい事を言葉にできなくなった。
かわりに、もう一人の僕が出て来た。
まただ。またやってしまったんだ。
全員の目が僕に向けられている。
聞こえてはいるんだけど話しているのは僕じゃない。
彼だ。
『ソーリー。』
もう一人の僕。
彼のしゃべる言葉は日本語でも英語でもなく、感情。
僕の感情。
感じているのは僕。
しゃべっているのはソーリー。
すこしの感情の浮き沈みを意味不明な言語で伝えようとする
「誰も理解できない」
母さんが出て行った日から突如現われた。
どっちが本物の僕?
本物の家族?
偽物の家族?
コカコーラ?
ドンキのコーラ?
何が本物?
僕の父さんはほかの人。だから、偽物の家族?
ドンキのコーラはフィギアがついていない。だから偽物のコーラ?
感じる僕。
しゃべる僕。
どっちが本物?
僕は、父さんの事が好きだった。兄さんの事を褒めてる父さん。僕も父さに褒められたかった。
僕は、兄さんを尊敬していた。何でも器用にこなす兄さん。兄さんのようになりたかった。