『メビウスの輪』vol.13 吉永百合第3話まただ‥
そう思い私は小さく溜め息をついた。
いつも感じていたこの空気‥。
母がいなくなってから、父は廃人のように母の名前を呟き私達兄弟には身向きもしない。
私は母の代わりを努めようと必死だった。
学校行きながら家事をこなした。
母がいなくともまず家庭を壊したくなかった‥。
しかし‥
家族は誰も『家族』に興味を抱かない‥
私は母のようになりたかった。
母はいつも笑っていた。
みんなが笑っていないと母が帰って来てくれないと思った。
いや、母が帰ってくるかどうかより、母がいた時のような明るい家族でいたかった。
しかしまだ子供だった私が家族とはなんぞや。とみんなに語れるわけもなく、でも必死に私なりの持論でみんなを説得したかった。
『家族』を語りたいのになぜか私は
首なが族、マヤイ族さらに暴走族。
たくさんの族の話をした。
しかしみんなの耳には届かなかった‥。
母がいなくなってからというもの、マンツーマンでかわいがってきた祐三すら、「シスター族違いでゾクゾクするよ」というしまつ。
家族の溝は深まるばかり‥。
その中誠おじさんだけは違った。
母がいなくなってから頻繁に出入りするようになったまこちゃん。いや誠おじさん。
私がしゃべる事に日本人とは思えないリアクション、作るものにはおいしいおいしいと言ってくれた。
誠おじさんだけは私を母の代わりと認めてくれていたようだった‥。
そうあの時までは私は唯一の理解者だと思っていた。
母がいなくなってからしばらく経った頃、まこちゃんは私をあの酒蔵に頻繁に連れて行った。
酒蔵の奥には小さなトンネルがあり、くぐり抜けると見慣れぬドアがあった。
入るとそこは緑が茂るが異様な空気が流れていた、おじ
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