『メビウスの輪』vol.12 音無誠 第3話


〜その渓流〜


家の近くには
緩やかに流れる川がある
その渓流には
僕の秘密の場所がある…

高校は冬休みに入る前に
退学していた
家をでて
トムの所に転がり込み
住み込みで働かせてもらった

『love&Peace』
のエミリーと頻繁に逢うようになった

娼婦のエミリーとは
店以外でも逢うようになり
街に一件しかない
バガーショップでよく
待ち合わせをした

ハンバーガーを箸で食べる
ちょっと変わったエミリー

幼い頃日本にきた彼女は
両親から
早く日本文化に慣れるよう
食事は箸を使わされていたようだ

外国人が器用に箸を使う…
そんなギャップに
僕はメロメロだった

僕は輪島塗の箸箱と箸を
エミリーにプレゼントした

彼女は凄く喜んでくれた

二人の愛は永遠に続く気がした…


僕が19歳の夏

エミリーが消えた
連絡も取れず
店も辞めていた

その日、途方にくれて
レストランに帰ると
トムが警察に連れていかれる
ところだった

大麻栽培、所持…

何も知らなかった僕も
事情聴取の為警察に連れたが
直ぐに解放された

しばらくして
父が身元引受人で迎えに
来てくれた

帰り道
父の運転する車内には
重い空気が佇んでいた

突然のエミリーの失踪
トムの逮捕
今後の自分の事

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2009/01/08




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