放置した結果

たいがいのケースでは、鼻の調子が良くない(鼻水が出る、鼻が詰まるなど)ことで気づくところ、義父は自己判断でアレルギーだから放っておいて大丈夫だと言い、病院に行くことはなかった。
こんな程度なら病院なんかに行かなくてもいいと言って、鼻がぐずぐず言う状態で何年も持ち越していた。
長い間放置しておいた結果、その乳頭腫の肥大率が大きすぎて、気がついた時にはすでに取り除けない部分にまで達していたと言う。
鼻の病気なのに、周辺組織に癒着しつつある、と。

一般的な乳頭腫の場合でも、繰り返す人は早い期間で繰り返して出来ると、初めの入院手術のときにはそう説明は受けていたので、再発もやむを得ないのかなとある程度は覚悟していたけれど、まさかこんなに早く再発するなんて…

しかも再発が認められてから、検査してもらう間にもみるみるうちに症状は進み、なんと義父の顔面にまで影響が出始めていた。
左の鼻の穴奥に元々の乳頭腫があったのに、肥大化するうちに顔の内部だけでは収まりきらなくなってきたのか、その腫れは顔面にまで突出した来たのだ。
中の腫れに押され、鼻の左側と左目の間が開いてきた。
日に日に大きくなるのがわかるくらい、鼻頭と左目が開き、腫れ上がり、左目が正面を向いていない。
ギョロリと左方向にしか向かない左目。
鼻頭が腫れているせいで、眼鏡もかけづらいと言う。
元々視力が悪かった義父は、眼鏡なしの生活は不都合だった。
でも、眼鏡をかけると鼻頭を締め付けるよな感じになるらしく、仕切りに痛いと言っていた。
たった数グラムの眼鏡でさえ重く締め付けられるような感覚で、痛みがあると言う。
物を見る仕事をしているので、眼鏡は絶対に欠かせない。
几帳面な性格から、日々の出来事を手帳に書き込むのが日課だったのに、眼鏡をかけることが出来ないので、文字を見ることが出来ない。
細かい字を見ると余計に疲れる。
目や頭が痛いとしきりに訴える日々。

鼻の病気なのに、目からは涙がしょっちゅうあふれていた。
別に悲しいわけでも悔しいわけでもなんでもないのに。感情とは関係なく、涙が流れ出てくる。
しょっちゅう涙を拭きとっているので、目もとも赤い。飛び出した目も気になっていたけど、目の周辺がただれないか、心配だった。

担当医にこの涙のことを尋ねたとき、涙も鼻の腫瘍のせいだと言っていた。
粘膜は潤いが保たれているところなので、普段は鼻の中にある液体は自然に鼻の穴を通っていくのだけれど、義父の場合はその通り道がふさがれている。
だから涙腺を通して表面に出てきてしまうらしい。

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心と体
2008/11/20




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