タイムカプセル - 16翌週末、私は予定通り長崎に引っ越し、4月から長崎支社で仕事を始めていた。
剛には羽田以来会っていない。
羽田空港で見送ってくれた剛と別れるのが辛くて、彼が呆れるほど、私は子どもみたいにびーびー泣いた。泣くと余計辛くなって、悪循環だった。ぎりぎりまで中に入らない私を見兼ねて、結局、剛の方が帰って行った。自分がいなくなれば、仕方なく行くだろうと思ったらしい。確かにそうしたけれど、帰るふりをして実は彼は隠れてずっと私を見送っていてくれていたらしい。剛も辛かったらしい。
ここは地元でもあるし、勝手知ったる町だ。
ただ、折角、剛と付き合い始めたのに、二週間もしない内にいきなり遠距離になるとは、何と言う運命の巡り合わせなんだろう。
次に剛と会えるのはいつになるのか、まだ分からなかった。
それでも、毎日のように電話やメールで連絡しあって色んな話をした。
メールはまだ良かった。少しは自分が冷静になれた。しかし、剛の声を聞いてしまうと駄目だった。会いたくてしょうがなくなる。最後はいつも泣きべそをかき、なかなか電話を切れなくなった。剛は、私がもっと強いと思っていたらしくて、最初はびっくりしていた。 こんなに剛のことを好きになって大丈夫なんだろうかと、自分自身に対してちょっと不安な気持ちが出て来るほどだった。
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