PURE ANGEL[第3章]第10話第10話
13時~17時
「静かにしてください、これから午後の部を始めます」
ふかふかの絨毯が敷かれた大広間に座布団が所狭しと並べられている異様な光景に新入社員たちはどよめいていた。
「ラフな服装にしていただいたのは
これから皆さんに座禅をしてもらうためです」
そう言った瞬間に会場は再びざわめき出した。目を丸くした者、溜息を漏らした者、ほとんどの者が嫌そうな顔をした。
――まっ、しょうがないよね。あたしも好きじゃないし
この人たちにとっては座禅なんて苦にしか感じないよね
「自分たちが今立っている場所に座り座禅を組んで下さい
上手く出来ない人は手を上げて、アシスタントが教えますから」
10分後、全員が座禅を組んだ。
「そのままの状態を崩さず、瞑想して下さい。何を瞑想するかは
皆さんの自由です。逆に何も考えず心を無にしても結構です
但し、寝るのだけは禁止ですよ」
大広間で300人を超える新入社員は座禅を組み瞑想に入った。
超有名な一流ホテルのメープルで、まさか座禅なんて誰が予想や想像ができるだろう。他の者がこの場を見れば何かの宗教団体かと思うかもしれない。
「はい、止めっ!皆さん身体を楽にして15分間の休憩に入ります」
座禅など組んだことなどない新入社員たちは、ただの苦痛としか思えない30分という長い時間をどうにか耐えきった。
それまで静まり返っていた会場はつくしの掛け声と共に声にならない声やうめき声で埋め尽くされた。痺れた足を伸ばして摩る者や、臀部に痛みを感じる者、さまざまに身体を捩じらせ苦痛から解放された安堵の空気が流れた。
「さぁ、皆さん座禅はどうでしたか?
そのままの体勢でいいですから感想を聞かせてください」
数名の者が手を上げて答える。
「座禅がこんなに辛いものとは思いませんでした、足も腰も痛いです」
「時間の経つのがやけに遅く感じました、ギブ寸前でした」
「お尻が痛くて痛くてその事ばかり考えていました」
予想どおりの意見が出たなとつくしは思った。
「皆さん同じような感想をお持ちと思います
わたしも座禅をすれば体のどこかが痛くなります」
体の苦痛が解け始めた新入社員たちはつくしの言葉に耳を傾ける。
「でも体が痛くなるのは座禅を組めば当たり前のことなんです
足や腰が痛いのはそこに足と腰があるからです。普段気にすること
もない足や腰が
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