◎『ZIMBBWE ジンバブエ』 1997年10月刊

 著者の高橋朋子さんは南部アフリカのジンバブエで十数年、暮らしている。原稿は首都ハラレからのファクスで送り続けられたもの。冒頭にある第一章「アフリカの扉」から引用すると「なぜアフリカに来たのか。それはジャマイカで生まれた音楽、レゲェに魅せられたからだ。(中略)その頃ジンバブエは、白人政権ローデシアが、すでに独立を認めたかのように見せかけるためにつくった“ジンバブエ・ローデシア”政府で、ボブ・マーリイはこの年[生き残るもの黒人(SURVIVAL)]というすばらしいLPを発表し、その中で、この独立の戦いを支援する[ジンバブエ]という、美しい虹のようなコーラスで終わる曲を歌っている」とある。高橋さんは音楽プロダクションのデイレクタ−としてさすがに詳しいがとくにレゲェ、ボブ・マーリイの熱烈なファンだ。ボブ・マーリイに捧げる小説家中上健次さんの詩や、マンガ家狩憮麻礼さんの『青の戦士』や、ハイネ・ヘリマ監督の映画「3000年の収穫」についての言及があり、この章の最後にはこう締めくくっている。「アフリカに行ってみよう。新しい音階のような、美しいひびきをもつ国の名、ジンバブエ。アパルトヘイト下から独立を闘いとったという、その国にも行ってみたい」「ボブ・マーリイの歌は、アフリカへの扉だった。その扉の前に立つことができたのは、あの大阪のフェステイバルホールでのコンサートの7年後である」と。そのライブは相当すばらしいものだったようだが、ぼくのレゲェについての不明はともかく「歌が扉を開ける」などとは羨むべき話だと思う。歌のちからが本当に人を動かす、という典型であろう。

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文化・芸術
2009/02/07




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